さらば黄金球

とうとうこの日がやってきた。
しげるの去勢の日。
数回前の記事で書いた通り、里親として引き取る条件に「去勢をする」ということが義務付けられている。

しげるはオスの本能(マウンティングやマーキング)をバリバリに持っている肉食系男子だ。
マーキングを家の色んな所でしやしないかを我々夫婦がずっと監視してるわけにも行かないので、普段はしげるにオムツをはかせていることが多くなった。
フルチンの解放感を味わってもらいたいのは山々なのだが、無差別に本能でマーキングされると、ずっと片付けと掃除をしている状態で、在宅勤務の妻は仕事に全く集中できない。
先代おさむのニオイやしげる自身のオシッコ臭が残ってるのかなと思い、家具などを徹底的にジョキングという強力な消臭スプレーでふき取っても効果はあまり見られなかった。

「トイレのしつけ」と「本能としてのマーキング」は全くの別物だとトレーナーさんは言っていた。
しげるは保護される3年以上、オスとしての本能が必須の世界で生き抜いてきたのであろう。
本能は簡単に変えれそうにない。
しかし、去勢を機にホルモンのバランスが変わり、マーキングが減り、オムツが取れるのではないかと、3歳8ヶ月の成犬に淡い期待を抱いていた。

BEFORE

手術当日。午前に預け、夕方に迎えに行った。
しげるのヘソ下三寸の位置には中身のないシワシワの玉袋があった。
銭湯で見る爺さんのようだ。
麻酔が切れて覚醒しているが、いつもよりテンションは低め。
元々ビビりの性格だからか、術後の変化にショックを受けてるのもあるが、執刀箇所はやはり痛むのであろう。
別の犬と間違えたと思うぐらい呆然としている。

ぐったり

数日間安静にした後、様子を見ていると明らかにマーキングは減った。
油断すると粗相してしまい、じょろじょろとカーペット上に出してしまっている時もあるが、呼吸をするが如くの乱射マーキングが無くなっただけでも、人間の監視の目を緩められるし、オムツも卒業させてあげれそうだ。
オムツかぶれも出始めてどうしようかと夫婦で悩んでたところだ。
専門家によると、これからゆっくり半年ぐらいかけてホルモンが変わって行き、性格も穏やかになるのではないかという見解。
晴れてフルチンで家中闊歩できる。
オシッコだらけのカーペットはもう捨てていいよな?

今回の去勢で、里親としての条件を全てクリアし、晴れて完全にウチの子になったしげる。

保険会社のキャッチフレーズを見ただけでウルっとくる年齢になった。
「キミが心の発電所」

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